Story

第2次世界大戦。
世界が分かれ、多くの死者を出した大戦。

その終結から5年後、ドイツ。
戦勝国の鎖に繋がれたかつての大国は、復興への微かな兆しを見せていた。
誰もが、「あの時代」と真摯に向き合い、もう二度と繰り返されることはない――
そう信じていた。

しかし、かの独裁者―その幻影は、なおも闇で蠢き続けていた。
「選ばれた民による、選ばれた民のみの、永劫なる帝国」、
歪んだ思想から生まれたその礎は、破壊された筈ではなかったのか。

闇夜に浮かんだ、巨大な鉄の十字架。

その十字架の影が、ゆらゆらと揺らめき、
禍々しくおぼろげなその影が左回りに回りながら、
かつて対戦に関わった若き兵士達、
そしてその周囲の者達を飲み込もうとしている。

終わったはずの、変わりゆくはずの、1950年。
悲壮なる旋律は、人知れず静かに始まっていく。