Ein KreuZ -序章-

第2次世界大戦。
世界が分かれ、多くの死者を出した大戦。

その終結から5年後、ドイツ。
戦勝国の鎖に繋がれたかつての大国は、復興への微かな兆しを見せていた。
誰もが、「あの時代」と真摯に向き合い、もう二度と繰り返されることはない――
そう信じていた。

しかし、かの独裁者―その幻影は、なおも闇で蠢き続けていた。
「選ばれた民による、選ばれた民のみの、永劫なる帝国」、 歪んだ思想から生まれたその礎は、破壊された筈ではなかったのか。

闇夜に浮かんだ、巨大な鉄の十字架。

その十字架の影が、ゆらゆらと揺らめき、禍々しくおぼろげなその影が左回りに回りながら、かつて対戦に関わった若き兵士達、そしてその周囲の者達を飲み込もうとしている。

終わったはずの、変わりゆくはずの、1950年。
悲壮なる旋律は、人知れず静かに始まっていく。



1950年11月、オーストリア北部のオーバーエスターライヒ州。

人里から離れ、近づく者も数少ない森の中。
その奥にひっそりと佇む古びた洋館からは、時折美しいピアノの旋律が聴こえてくるという。

館に住む人物がどのような人物かは知られておらず、館の中へと訪ねるような近隣の住民もいない。
それでも夜になれば、流麗な音は冷たい夜風に乗り、少し離れた場所に暮らす人々の耳にも届いているようで、
「夜になれば、どこからか綺麗なピアノの演奏が聴こえてくる」
そんな噂もあった。

だが、それを耳にした者の内、どれだけの者が想像し得るだろう。
その音色を奏でる人物が、かつて兵士であったことを。
世界を敵に回し冷酷な施政と残虐な戦争を執り行った隣国の、一人の兵士であったことを。

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始まりの夜に 1950年、とある秋の満月の夜。
イチイの樹は騒めき、動乱の日はここから始まる。
（前篇/後篇）


◆登場人物

捕らわれの身　
 元秘密警察
エリーゼ
CV：小日向るり
研究施設にいた少女
アンネ
CV：縁茜莉

ガーゴイル　-戦犯追跡を独自に行う秘密結社-
 実行部隊リーダー
ライラ
CV：壱槻アリス 		実行部隊メンバー
ロビン
CV：日暮惣太


シュタージ　-ドイツ民主共和国（東ドイツ）諜報機関-
特殊情報調査室 室長
ヒューラー
CV：ぬる 		元第1SS装甲師団 少佐
フリードリヒ
CV：関ヒカル 		元特別行動隊 大尉
ヒンメル
CV：櫻井智夜
元武装親衛隊・科学者
レーヴェンハイム
CV：倉部真城


？？？
“夜警”
ヴィルヘルム
CV：相葉啓祐 		“語り手”
シェレンベルク
CV：結城陽 		“魔女”
ガラテア
CV：新名ゆい


兵士ぬる
兵士T-182
兵士緋雨霧人
科学者KK

◆スタッフ

脚本織倉俊哉
編集汐瀬悠里
イラスト結花

◆楽曲・音声素材
　音楽の卵 ■
　Presence of Music ■
　ザ・マッチメイカァズ2nd ■
　On-Jin〜音人〜 ■
　効果音源 ■
　魔王魂 ■
　WEB WAVE LIB ■
　ちょい音 ■
　効果音ラボ ■
　小森平の使い方 ■